採用が決まったら4日間の研修
自宅のポストに求人用紙が入ってたので応募した。
とある会社の期間雇用配達員として3ヶ月働いた時の体験談である。
ここでは期間雇用で働く配達員をクソ配達員、正規で働く配達員を奴隷配達員と呼ぶことにする。
期間雇用のクソ配達員は原則6ヶ月更新である。
自分は事情があって3ヶ月で退職した(事情については割愛させてもらう)
面接して採用が決まったら、研修施設で4日間研修。
講習でバイクに乗るので研修はラフな服装。
研修には各所属先の面接に受かった未来のクソ配達員が集まる。
2日間、コンプライアンス、守秘義務の講習と会社の福利厚生の説明。
残りの2日間、実際にバイクに乗ってテスト走行、荷物の仕分け方法。
講習を担当するのは、その道30年以上だろうか、ベテランの元奴隷配達員。
配達中によっぽど痛い目にあったのか警察を目の敵にしていた。
長年やってたらそうなるよな。
研修が終わると配属先へ。
晴れて期間雇用のクソ配達員となる。
配達員の朝はとても早い
就業開始は7時30分から。
おいおい、聞いてないよと。
応募用紙に10時からって書いてあって面接でも言ってなかったっけ?と思うがそんな事を間違っても言えない空気である。
現場にいるのは、その道数十年以上の奴隷配達員、そんなことは日常茶飯事でそれは奴隷配達員の勲章だと思っている。
ましてや期間雇用のクソ配達員に権利などと言う言葉など認めるわけがない。
仕方なく5時に起きて準備して出勤する。
体育館ほどの広さの場所に数百人のクソ奴隷配達員と大量の荷物が集まっていた。
出勤初日に更衣室ロッカーの鍵、制服、ヘルメット、手袋、カッパなど装具一式を渡される。
ロッカーで着替えれば街でお馴染み配達員の完成である。
見かけには期間雇用のクソ配達員なのか奴隷配達員なのかは分からない。
朝礼。
代表者が前に立って配達員数百人が並んでラジオ体操。
まるでマスゲーム。
朝礼が終わったら、自分の所属する奴隷チームでエンジンを組んで掛け声。
え〜こんな事まですんのと心の声を押し殺す。
自分の所属部署は6人、そのうち期間雇用のクソ配達員は自分と親子ほど歳の離れたオッサン。
担当区分の荷物を住所の番地ごとに仕分けを始める。
ベテラン奴隷配達員は手裏剣を投げるように仕分けていく。
仕分け作業を2時間で終わらせて、10時半過ぎにバイクの前カバンと後ろのリアボックスに荷物を積んで出発。
ようやく配達員としての仕事が始まる。
荷物が多いとバイクのバランスが最悪。
はじめは先輩について自分の配達する区分を周る。
最初は先輩のチェックが入り、5日目から一人立ち。
半分くらい配り終わったら、1時間休憩
午後の配達が終わると、持ち場の整理と配達物の片付け。
大雨でも配達
配達でしんどいのは、雨の日だ。
荷物が濡れないように気を使う。
半ヘルなので雨の中バイクで走ると顔に雨が当たって痛い。
冬だと手かじかみ、夏のカッパはサウナ状態。
配達で着るカッパはそれなりの性能で雨の日でも中まで濡れない。
雨具保管する乾燥室はおそろしく臭い。
配属部署は運次第
所属先や部署によって待遇が全然違うようだ。
奴隷レベルが1から10まであるとしたら、自分の部署はマックス10のようだ。
まるで繁忙期のリゾートバイトのような生活である。
朝5時に起きて準備して6時に家を出て7時半に出勤、配達が終わって持ち場に戻って片付けをしたら21時過ぎに退勤、ロッカーで着替えて、家に帰宅するのは22時、そこから風呂、晩飯、24時を過ぎた頃にはベッドで倒れる。
隣の部署は笑い声が聞こえ、定時の16時で退社している。
この差はいったいなんなんだと思ってしまう。
おいおい遅くても18時には帰れるって聞いてたよ、、、。心の叫びがおもわず口に出そうになる。
しばらく続くと疲れすぎてどうでもよくなるというか、正常な判断はできなくなる。
過労のおかげで更にクソ配達員、奴隷配達員共に磨きがかかる。
さすがに2週間経ったある日、他の部署からここに来たばかりのベテラン奴隷配達員が、これはさすがに限界だとリーダー奴隷配達員に言ったら口論になり、3日間くらいドンパチが続き内戦状態になってしまった。
ここに居てはまずいと分かった。
もしこの先、期間雇用クソ配達員を続けたとして、先に見える未来は奴隷配達員、奴隷配達員管理の社畜となるのだろう。
ここで働くメリットはとにかく社会的信用が得られることで、その社会的信用と引き換えに奴隷契約を結ぶのである。
とにかく色んなことをすっ飛ばして、いきなり信用を得たい、体力に自信がある人におすすめである。
自分のようなクソにも奴隷にも慣れない人間は他の方法で努力して信用を得るより仕方ない。
とにかく苦痛のクソ奴隷生活3ヶ月だった。