【ジョブ】ハローワーク 職業訓練はとにかく忙しい 事前の準備も心の準備も必要ですよ

【ジョブ】ハローワーク 職業訓練はとにかく忙しい 事前の準備も心の準備も必要ですよ

給付金を早く受給するため職業訓練に通う

失業給付とは社畜を一定期間した後に退職すると国から一定期間お金がもらえるシステムである。

通常失業給付は自己都合の場合、給付まで90日間の待機することになる。

さすがにこの長い期間を待てる訳もなく、再就職先を見つける、もしくはアルバイトをすることになる。

しかし裏技で職業訓練校に申し込んで通う事が決まれば、訓練が始まる時期から給付金を受け取る事ができる。

正直得意なジャンルとは言えなかったけど、相談した職員の勧めもあって申し込む。

入校手続きと給付に関してのルール

事前に説明会を各訓練校でしているので、参加すると雰囲気がつかみやすい。

職業訓練が行われる該当施設で面接と筆記試験。

数日後、合格通知が自宅に届き、ハローワークに行って説明会。

訓練初日、給付手続き、授業日程の説明を受ける。

教材費用は自費。

給付関係の手続きは訓練校で管理。

訓練校に通っている途中に面接で休む場合、面接先の会社で書類に印鑑をもらい提出する事で給付金は受給される。

病気の場合、病院の診断書をもらい提出する事で給付金は受給される。

書類で証明できない場合は給付対象外。

出席が80%に満たない場合は退校。

訓練中のアルバイトは書類に詳細を記入して申告。

申告しなくて、後からバレたら罰金。

20時間を超えた労働は就職とみなされ、訓練、給付も終了。

軽い気持ちで行くと大変

資格試験対策3ヶ月と企業実習3ヶ月がセットになった半年間の訓練。

担当の講師は数人、入れ替わりで授業。

3ヶ月後に受ける試験に向けて学習。

授業は月曜日から金曜日、スタートは9時、終了16時。

授業終了時、当番制で教室の清掃。

生徒は性別、年齢、職歴もバラバラの15人。

昼休憩は1時間、訓練校内は禁煙。

授業のペースが早いので、学ぶ内容の知識がない場合、予習、復習してないと授業についてくの大変。そして資格の勉強とは別に課題の発表が月に数回ある。課題を決めて、内容を調べて、まとめて全員の前で発表するので、自宅に帰ってから資料作りすることとなる。

更に就職の面接対策で月に1回、今までの経歴を記入したジョブカードを作成してキャリアコンサルタントと面談。これまた自宅で資料作りすることとなる。別に対したキャリアもない自分は書くことなんてないから、簡単なことを小難しく取り繕って記入。例えるなら女性が化粧するのと同じような感じだろうか。

そして2ヶ月経ったところで資格試験。

3ヶ月目から企業実習の申し込み、これもまた自宅で書類作成しなければならない。

更に訓練が佳境を迎えるとチームを組んでグループで課題を決めて発表することとなる。授業が終わってからチームでミーティングすることとなる。

とりあえず職業訓練3ヶ月はこんな感じになる。

資格試験が終わった2ヶ月目から就活で早退、遅刻、欠席する人が増える。就職が決まって卒業する人もいる。

訓練校での人間関係

初日は一番前の席だった。隣の席はなぜだか鋲のついた布筆箱に金髪で骨格のしっかりした30代後半の独身女性。プロレスか何かスポーツでもやってるのだろうか。さすがに隣の席で挨拶くらいの軽いコミュニケーションは取るわけだけど、こっちが1つ話したら向こうは10になって返ってくる。会話が噛み合わないので、とにかく笑ってごまかす。この歳の独身女性の焦りを少し垣間見てしまった気がする。。当たり障りない会話ととにかく踏み込まない。それだけである。

席は数日毎に変わる。翌日真ん中の席に変わった。これからのカリキュラムの話を担当の職員が話している。

前方の席から独り言が聞こえる。その席に座る明るく染めた髪色が落ちかけて毛先が金髪になっている、40代くらいの女性。

耳を傾けると「私が何とかしなくちゃ」と聞こえてきた。この人、大丈夫だろうか。

その女性は授業が終わると近くの居酒屋で飲み会をするため人集めしていた。彼女の何とかすると言うのはそうゆうことだった。

30代後半の既婚女性で失礼だけど年齢の割に少し老けていて苦労されたのだろうか。訳のわからない責任感は承認欲求の表れなのだろうか、誘われて一度顔出してみたものの、結局そこに集まるメンツは主催の老け顔の女性とそれを取り巻く下心ありありな男性陣3〜4人。場末のスナックのように見えてしまった。女性の色落ちしたまま放置した髪の色が余計にそう思わせた。

きっと同性の友達は少ないだろう。

初日にエレベーターで一緒になった40代後半の独身男性は毎日胃が痛いと言ってる。男性では一番年長者でかなりのプレッシャーを感じているのかよく分からないけど、それを聞いてたらこっちも胃が痛くなってくる。気づいたら就職が決まっていなくなっていた。

ある日帰り道、政治とユーロビートと風俗通いが趣味のちょっと躁っぽい40代前半の既婚男性と、地方国公立大学中退の30代後半、自称引きこもり、恰幅がとにかくいい独身男性の3人で喫茶店に行ってコーヒーを飲みに行く。男3人集まれば当然話題はエロである。恰幅のいい男性はどうやら女性経験がないようで、それを知った風俗通いが趣味の男性は風俗の種類と内容を事細かく説明している姿はとても輝いて見えた。しかし残念ながら3人でお店に行く事はなかった。その風俗通いが趣味の男性が職場体験で幼稚園に行って、その後働くことが決まった時、少し笑いそうになった。資格、経験もないコネ採用。きっと風俗通いするほど時間も給料も余裕ないと思うけど。見切りをつけるのだろうか。。いや、つけられるのだろうか。。代わりに僕がその意思を引き継ごうか。。

ある日の授業中、授業担当してた講師がいきなりヨーロッパで吸った葉っぱの話を嬉しそうに始める。随分と長くヨーロッパに住んでたようで、まだ頭の中はヨーロッパにいるようだ。そんな話、飲みの席で酒のつまみにして欲しい。授業が終わると訓練校の代表が珍しくクラスに顔を出して、彼はヨーロッパの滞在が長くて時々外国人みたいな所があるのとフォローしていた。誰かなんか言ったのだろう。

ある日の授業終わり、外に出ると雨。出てすぐの横断歩道で信号待ちしてると、斜め前の席の30代半ばの独身女性が傘がないなら一緒に入って駅まで行こうと話しかけてきた。昔クイズ番組に出てたお騒がせ元2世タレントに少し似ている。少し遠回りして地下道から行くつもりだったけど、話してたら入り口を通り過ぎてしまって、結局その小さい傘に入れてもらって駅まで500m歩く。自分の肩はびしょびしょだったけど相手は濡れてなかったので良かった。駅まで話しながらきっと賢いのだろう、正直わざわざ訓練生する意味ないじゃんと思う。そして目に見えないプレッシャーもこちらに伝わってくる。。。やはりこの歳の独身女性との会話はかなり気を遣う。思わず食事でもと喉まで出かけた言葉を飲み込み、当たり障りない会話をして、駅に着いて丁寧にお礼を言ってそそくさと帰った。かなりそっけなくしてしまったので、しばらく気まずい空気になった。

ある日の授業、講師はヨーロッパ人の女性。外国人講師は彼女だけである。彼女はクラスの生徒一人一人の机を周りながら、自分の前の席に座る青年の課題を添削していた。前の席に座るのはクラスで一番若い20代半ばの青年。角界にいそうな、色白で切長の目で少し強面だけど背が160cmくらいと男性にしては低いので、キャラ的に可愛い感じに見える。それを本人も気にしてるのか体を鍛えて筋肉をつけることでバランスを取っている。自分のメタボ気味で怠けた身体と大違いである。青年は課題を添削されるのを嫌がってるのが見て分かる。講師も困った顔をしている。よっぽど講師が嫌いなのだろうかと思ったが、後から聞いた話、どうやら彼は北の寒い地域のかなり田舎から出てきたらしく、おそらく外国人に免疫がなかったのだろう。

3ヶ月目はチームを組んで課題を決めて発表するグループワーク。

筋肉青年と、変な責任感の強い女性、そして自分の3人でグループワークすることが決まる。直ぐに変な責任感の強い女性の提案でミーティングと言う名目の飲み会。筋肉青年と責任感の強い女性は姉弟の様な関係が出来上がってて、面倒だけどそこに合わせるしかないのが想像できる。

訓練を辞退しようかと考えたが、あと少しなので思いとどまる。

飲み会からカラオケに誘われる。

筋肉青年がノリノリで歌うEXILEやJソウルブラザーズを聴きながら、自分も10代の終わり頃、そんな時があったなと思い出す。そしてその時、妹から「気持ちは分かるけど顔がな〜」とバッサリ言われたのも思い出した。確かにそこはやっぱ顔だよなと思う。

カラオケを歌い終えると筋肉青年は、雨の日に傘に入れてくれた女性とデートする事になったと浮かれて自慢していた。良かったじゃんって青年に言いながら、心の中でそっち行ったんだ、それだったら俺も遊んどきゃよかったと思う自分が卑しく思える。

結局人間のストレスのほとんどは人間関係からくるらしい。

放置プレイの企業実習

訓練が終わると、企業実習。

訓練校と提携された実習先の中から選ぶ。

訓練の内容と関係ない企業もあり。

このシステムはおそらく、企業、訓練校、訓練生に国から給付金が支払われるWIN WIN WINなシステムっぽい。

事前に企業へ行き、担当社と面談。

オフィスの入り口にデカデカと、とある旧東側国家との友好ポスターが貼ってある。聞きたいけど絶対そんな事は聞ける雰囲気じゃない。

面談を担当してくれた30代後半の女性は綺麗な方で、色々と会話したのだけど、とにかく入り口のポスターのインパクトが強過ぎて面談で話した内容が頭に入らなかった。

企業実習も訓練中と同じように、面接に行く場合、病欠する場合、書類に記入。

実習先で最初に面談してくれた女性ともう一人20代半ばの仰向けに倒れるんじゃないかと言うくらい姿勢の良い女性が自分の担当してくれるそうで、二人は企業実習からここへ就職したのだとか。

オフィスはパソコンとデスクが並んでいて、奥に社長室があって、ロールカーテンで中が見えなくなってる。出社時と退社時に社長室に入って挨拶する。

社長はいわゆるイケメンで、夜の店で飲み歩いてそうなイケイケ経営者な雰囲気。社長室に外部から社長と雰囲気が似た訪問者が頻繁に尋ねてくる。それとは正反対にここで働く社長を取り巻く社員は役所勤めしてそうな堅い雰囲気なのが笑える。

周りと適当にコミュニケーションを取りながら、職場の雰囲気を恐る恐る探る。

しかしそんなの長くても1ヶ月あれば充分。

WIN WIN WINなシステムのおかげで無下にされる事はない、飼い殺し。

実習生のやることといったら雑務。

与えられた仕事が予定より早く終わってしまってやることがなくなってもポーカーフェイスで涼しい顔しながら、やることがないので書類にミスがないか100回以上見直す。

ここではとにかく支持があるまで、じっと待つがそのまま終わってしまうこともある。

慣れてくると気を使って愛想を振り撒いて仲良くして、目で訴えて仕事を振ってもらう。

残りの2ヶ月を耐えきれるか心配であった。

ある日社長室に呼び出され、開口一番「何がやりたいの?」と尋ねられる。

何がやりたいの?一瞬戸惑ってから、、「経験した事ない職種を経験するチャンスだと思って来ただけですけど」と答える。

社長は少しあたふたしてから「わかった」と。

俺は何か間違えたのだろうか。。。

その日の帰り道、ハローワークに寄って求人を探して、面接を受けることにした。しばらく面接を受けまくることに決めた。

訓練中は訓練校、実習先から奨励されていることで、早く仕事が決まることに越した事はないのだ。

そして企業実習も3ヶ月終わる。

このどうしようもない我慢大会を勝ち抜いてしまった者は訓練校に戻って卒業証書を渡されて職業訓練が終了。

最終的に15人から11人になっていた。

残らなかった4人は至極まっとうだ。

そして11人中7人(自分も含め)は内定は決まってないので自分で仕事を探すこととなる。

これが民主主義的に言えば普通なのかもしれない。

そして残った4人中3人は実習先で内定をもらい、1人は訓練校で内定をもらっていた。

この3人は模範訓練生の称号を手に入れ、実習先で模範訓練生代表として働き、訓練校から実習で来る訓練生のメンターとなるのだろう。

1人は訓練校に残り、これからハローワークから来る訓練生のメンターとなるのだろう。

その後は該当するハローワークに戻って、終了手続き。

こうして何とか長い地獄の半年間を乗り切った。