【登山】八ヶ岳縦走 小淵沢駅徒歩スタートで北八ヶ岳ロープウェイで下山の2泊3日 ②日目

【登山】八ヶ岳縦走 小淵沢駅徒歩スタートで北八ヶ岳ロープウェイで下山の2泊3日 ②日目

南八ヶ岳の縦走は岩場、鎖場、梯子のアップダウン

昨日は晩飯を食べて19時前に寝て、22時頃にトイレで目が覚めて、その後2時間くらい寝れなくて寝袋の中でうだうだしていた。疲れなのか標高のせいなのか頭痛もするのでロキソニンを飲んでしばらくしたら頭痛もなくなり気づいたら寝ていた。昨年の鳳凰三山でテント泊した時も全く同じだった。

朝4時に寝袋の中で目覚める。身体を起こすとお尻に違和感、、、持病の痔病(イボ)を発動してしまったっぽい。これも昨年の鳳凰三山でテント泊した時と一緒である。疲れと慣れない環境のストレスが原因なのか、、、この時点で戦意喪失。水を飲んで再び寝袋に潜り込んだ。

気づいたら外は明るくなり、テントから出た頃には5時半を過ぎていた。トイレに行ってから、朝ごはんのカルパスを食べながらコーヒを飲んでたら6時を過ぎていた。急いでテントの撤収を始めてたら、すぐ隣のテントの前で50歳前後の男性がコーヒーを飲んでて目があったので挨拶する。男性は4時から権現岳まで行ってちょうど帰ってきたとこらしい。赤岳までく予定だったが諦めて、そのまま下山して温泉だと嬉しそうに話していた。どこまで行く予定なの?と聞かれたので、目標としては高見石小屋までだけど、出発が遅れてるので黒百合かその手前のオーレンで宿泊することになりそうかな、、、と言うと、少し驚いた様子で、黒百合ヒュッテ行くって言ってた人あそこにいたよと指をさした先にはもうテントはなかった。そこまで歩いた事ないけどオーレン小屋くらいが無難そうだねと返事が返ってきて、、、それを聞いてやっぱそうだよなと思うのだった。結局30分くらい喋ってたら6時半を過ぎていた。

結局出発したのは7時前。そもそも第一候補の高見石小屋に17時までに行くのであればコースタイム通りだと5時前には出発してないと難しい。どうやらこの時点で今日の宿泊地は第二候補の黒百合ヒュッテか第三候補のオーレン小屋になりそうだ。

水は1.5リットル準備した。次の補給場所はキレット小屋の水場(※枯れてる場合あり)、赤岳頂上山荘の売店、赤岳展望荘の売店なので、1.5リットルあれば充分だろう。

青年小屋を出発してから樹林帯を少し登るとすぐに森林限界に出る。後ろを振り返ると編笠山が見える。

二日目は南八ヶ岳の稜線歩き。事前に調べた情報だと青年小屋から横岳まで岩場で鎖と梯子が多いっぽい。青年小屋を出てしばらくすると早速岩場と鎖場。思ったより高度感はあまりないのでホッとする。

振り返ると南アルプスと富士山。最高の登山日和。どうやらさっきの岩場と鎖場が西ギボシ、東ギボシっぽい。

現在、権現小屋は無人小屋のようだ。

振り返ると権現岳が、、、!?

どうやら分岐に気づかず通り過ぎてたらしい。難所を越えてせっかくここまで来て、頂上を踏むだけなんだけど、、、戻るの面倒なので、またの機会に。

出発が遅れたので先を急ぐことに。今日は朝イチから難所が待ち構えているのだ。

本日、一番の難所であろうゲンジー梯子をクリア。高度感がヤバかった。朝イチで誰もいなくて自分のペースで降る事ができたのでよかった。ところどころ梯子と岩を固定する棒が劣化して折れてて、揺れるのでヒヤヒヤする。多分登るより降る方が怖い。

旭岳、ツルネと岩場、鎖場が続きキレット小屋に到着したのは10時頃。

キレット小屋ホームページ

昼前には赤岳まで行けそうだ。水の残量は500ml。多分この感じだったら赤岳まで大丈夫そうだけど念の為に補給しておこうかとキレット小屋の水場に向かう。

小屋から5分くらい降ったところの少し崖のような場所から水が流れていた。どうやらここで汲むようだ。草や木で天然に浄水されてる感じもなく、ただチョロチョロと流れる沢だったので浄水器に通すか煮沸するのが無難っぽい。

2リットルのウォーターコンテナを水が滴る場所に置いて補給してみるけど、満タンにするのに30分以上はかかりそうだったのであきらめた。

キレット小屋から赤岳までは岩場の稜線で鎖場と梯子、そしてハイマツの間をくぐりながら進む。アップダウンも激しくて気を抜けない登山道だけど、この辺りから登山者も増えるので少し安心する。

稜線で標高が高いので直射日光がヤバい。暑くて汗びっしょりでバックパックのヒップベルトのポケットに入れておいた塩分チャージを舐めながら水を飲んで登る。

心拍数を確認するとキレット小屋から登りは平均130bpmくらいで、きつい登りが続くと150bpm近くまで行くので、その時は少し止まって休憩するようにしている。130bpmの心拍数と言えば自分にとって1kmを7分〜6分後半くらいでジョギングする時の心拍数だ。それを考えたら、かれこれ4時間近くジョギング続けてることとなる。恐るべし登山の運動量。

赤岳の山頂に到着したのはちょうど12時だった。

喉がカラカラですぐ隣にある頂上山荘の売店に駆け込む。

赤岳頂上山荘ホームページ

売店に入ると感じの良いお姉さんが店番してて、その後ろから平成初期の頃のB’zの曲が流れている。何だか懐かしい気分になる。コーラ500mlと水500mlのボトルをそれぞれ500円で購入。外のベンチでコーラを一気飲みする。そして水をマイボトルに移してから、空のペットボトルを渡しに売店に入ると米米クラブが流れている。赤岳の山頂で聴く米米クラブはノスタルジックな気分にさせられる。

と言うわけで、のんびりもしてられないので、出発する。

赤岳展望荘まで降って、しばらく歩くと地蔵の頭。地蔵の後ろ姿に哀愁を感じてしまう。

赤岳からの稜線歩きは眺めもよくて最高に気持ちいいのだけど、朝から稜線を歩いてるので見慣れてしまった。

地蔵の頭を過ぎたあたりから再び岩場が多くなる。

鎖場と梯子の登り降りも続く。高いところが苦手なので、いつもの私だったら見た瞬間に「うぁっ!!」と声が出て、テンションが落ちるのだが、朝からずっと鎖場と梯子を登ったり降りたりしているので驚くこともなくなった。

振り返ると歩いてきた稜線。いや〜しんどい。

鎖場と梯子のアップダウンが終わりなだらかな稜線歩き

横岳到着。14時を過ぎていた。ここまで7時間も鎖場と梯子のアップダウンが続いたが、ようやく解放される。ここから先はなだらかな稜線歩き。

眼下には行者小屋が見える。

硫黄岳へ向かう進行方向の左手にクライミングで有名な大同心と小同心があった。クライマーはあんなところ登るのか、、、すげえな。

進行方向には硫黄岳。少し降ってから登り返すようだ。

降ったところに山小屋がある。

小屋の前の登山道に60歳くらいの細身のスポーツしてそうな健康的に日焼けした男性が景色を眺めてて、すれ違い様に挨拶すると、今日はどちらから?と話しかけられる。青年小屋から歩いて来ましたと話したら、少し驚いた様子でそれはそれはお疲れ様ですと言われ、続けさまにこちらは小屋泊で昼から楽勝やってますとアルコールも入ってか笑顔で調子が良さそうで羨ましく感じる。

自分はまだ先があるので急ぐことに。

硫黄岳山荘ホームページ

硫黄岳の山頂が近くなると噴石が落ちてるのを見るとここが火山なんだなと思い出す。何だか違う惑星に来た気分。

高く綺麗に積まれたケルンが登山道にポツンポツンと建っていて、遠くから見るとかっこいい。

硫黄岳は火山活動のせいもあって、三角点まで行けないので手前が山頂となる。なだらかで広い山頂だった。

さてこの時点で15時半。

このペースで歩くと第二候補の黒百合ヒュッテに到着するのはおそらく18時は確実に過ぎるだろう。予定の17時より1時間ちょっとオーバーするけど、明るいうちに到着できそう。しかしここから根石岳、天狗岳と登り返して2山越えるのかと思うと正直しんどい。それは我慢できるとして、問題なのはテント。昨晩の結露で濡れたまま。ダブルウォールならまだしもシングルウォールなのでフロア内も濡れた状態なのである。黒百合ヒュッテまで行くとなれば、濡れたテント内を手拭いで拭きながら湿ったテントで眠りに就くことになる。

しかし、もし今日のうちに黒百合ヒュッテまで行けたら、明日は蓼科山登山口のバスの最終便に間に合いそうなのだ。第一目標の全山縦走ができる。

南八ヶ岳から北八ヶ岳へ

そんなことを考えながら硫黄岳を降って夏沢峠に到着したのは16時過ぎだった。ようやく南八ヶ岳と北八ヶ岳の中間地点まで来た。

分岐でオーレン小屋の案内を見たら、今日はここで切り上げようって気分になった。(ちょっと本沢温泉も気になったけど)

樹林帯を20分くらい降ってオーレン小屋に向かうことにする。

オーレン小屋ホームページ

オーレン小屋に16時半前に到着。タルチョを見ると昔ネパールやインドの山奥を旅した時を思い出す。

受付を済ませてテント場の宿泊料金2000円を支払う。ちなみに追加料金1000円でテント泊でもお風呂に入れるらしい(今回は遠慮しといた)八ヶ岳の山小屋はお風呂のあるとこが多いから嬉しい。

それにしても昨日の青年小屋のテント場利用料が800円だったので倍以上するじゃんって一瞬思ったけど、よく考えたら2000円が相場だよなと思うのだ。青年小屋が安いのだ。そしてオーレン小屋は水場も水道の蛇口を捻るだけ。トイレも宿泊等の中にある水洗トイレで芳香剤が置いてあり匂いもなくて綺麗。洗面台にハンドソープも置いてある。

小さな沢を渡ってすぐ樹林帯に囲まれた場所にテント場がある。到着するとすでにテントが20張り近くあった。

コンパネの台が設営されてて、その上にテントを張ることができるので直接地面に張る必要もなく、雨が降った時に下から浸水する心配もない。

テント場に動物がやってくるのでグリーンロープが張られている。

テント場を歩きながら空いたスペースを探してたら、奥の空いたスペースで調理してる人がいて、目があって挨拶すると、慌てた様子で、もしかしてここ使われますか?と聞かれたので、その流れで、いいですか?と聞き返したら、どうぞどうぞと、本日の寝る場所が決まり、そこにテントを張ることになった。まだ暑くて陽が沈むまで2時間ある。今張れば夜寝るまでにはテントは乾きそうだ。どうせまた結露で濡れるけど、寝る時にフロアが湿ったままだとかなりテンション落ちる。なるべくストレスは減らしたい。

テント場を歩いてたら、鹿が近くまで来ていてそれを見てたら、テントの前でタバコを吹かす70歳くらい男性に声をかけられる。どうやら昨日の青年小屋テント場で一緒だったようだ。私のテントが印象に残ってたらしい。最初まったく思い出せなかったけど、そういえば昨日テント場ついて水場に行く途中でテント前でタバコ吸ってる男性が一人いたの思い出した。

タバコの男性は朝の4時に出てここまで来たんだとか。早いですね〜、私は7時出発ですよ〜と返す。7時出発でここまで来たのは早いね〜と、返事が返ってくる。何気ない会話を5分くらいして明日の下山場所も同じっぽいのでまた合いそうですねと言いながら自分のテントに戻った。

晩飯に昨日と同じデミグラスハンバーグのレトルトと尾西の五目ごはんのアルファ米を食べて、コーヒーを飲む。

テントに入ると乾いててホッとする。これで安心して眠ることができる。

行動時間 9時間35分 / 累積標高 のぼり1202m くだり1270m / 距離 9.8km